昭和二十四年七月三十日 講話(2) 光録09

〔 質問者 〕徳を積むとか、徳のある人とか申しますが、この「徳」とはなんでしょうか。また陰徳を積むとはなんのことでしょうか。

 徳ってのは人のためとか、世の中のためになることをすること……それが徳になるんです。これをたくさんやることを徳を積むって言うんです。そして、徳を積むには御浄霊によったり、この信仰に導いたりするのが一番いいんです。金をめぐんだり、慈善を施したりするのは一時的でね、永続性がないんですよ。だから、人を永遠に救う信仰に入れるほど、徳を積むのにいい方法は他にないんですよ。徳を積むと大勢の人が感謝しますからね。その感謝の光でその人の霊が太り、霊の栄養になるんです。神道の祝詞に「御霊のふゆを幸倍賜へ」ってのがありますがね、「ふゆ」ってのは「殖える」で太ることなんです。太ると光が多くなるから霊層界の上にのぼり、仕合せも、いいことも多くなるんです。

 それから陰徳ってのは人に知られないでいいことをすることですよ。よく、神社の境内なんかに「金何円也」とか書いて寄付の札が貼ってありますね、あれなんかは人に知られるから陽徳ですよ。人に知られる場合はそれだけの報いがもう来ているんですが、人に知られない場合は神様が御褒美をくださいますからね。同じ徳でも陰徳のほうがよっぽどいいんですよ。ところが人間ってのは顕れないと気がすまないもんでねえ……

 なるたけ人に知られないでいいことをするんですね。そうするとね、神様のほうで何層倍にもして返してくださいますよ。だから陰徳を積むってのはたいへんなことなんです。いまの人はこのことが判らないから陽徳ばかりですね。

「『御光話録』九号、岡田茂吉全集講話篇第二巻p~」 昭和24年07月30日