〔 質問者 〕私の地方では死人が出ると、その棺桶の中に生前その人が愛玩したものを死体とともに入れる風習がございますが、これは霊界ではいかなることとなりましょうか。
本当はこれはいいんですよ。やはり執着が強く残っていますからね、棺に入れてやればいいんです。ところがなんでもかんでも入れたんでは、国家的に見るとたいへんな浪費になりますからね、着物とかなんとかたいしたもんじゃなければいいけど、貴重品をどんどん入れてしまってはたいへんな損失になるから、そこはまあ、適当にやるんですね。執着ってのは強いもんでね、女なんかには死んでしばらくはタンスの傍にいる霊があるんです、着物に対する執着ですね。だからよく形見分けをやりますがあれは考えものですよ。特にある着物に執着していると、それを着た人に執着するんです。昔から振袖火事なんてよく言いますが、あんなこともあり得べきことですよ。そうかと言って、死んだ人のものをなんでもかんでもとって蔵っておくのもなんにもなりませんしね。分けたほうが社会経済の上から見てもいいですからね。だから浄めるといいんです。その物に向かって祝詞を上げて浄霊するんですね。そうすると執着が薄らぎますからね。
「『御光話録』九号、岡田茂吉全集講話篇第二巻」 昭和24年07月30日