昭和二十四年六月十三日 講話(3) 光録12

〔 質問者 〕(三)お世辞の言葉、虚勢を張るための言葉、自己を卑下するための言葉などはいかがなものでしょうか。

 お世辞はいいですよ、相手をいい気持ちにするんだから結構です。しかし、お追従になると、これはいけませんね。つまり、うわべだけじゃ本当のもんじゃないんです。……よく、しゃべるのが下手だから信者ができないって言う教導師がいますが、しゃべるのがうまけりゃ信者ができると言うんなら講釈師を雇ったらいい。(笑声) しゃべることじゃなくて、こっちの誠が相手に通じるんです。だから、しゃべるのが下手でも信者のよくできる人がありますよ。むしろそっちのほうが多いでしょう。いつも感心するのは強請は実に口がうまい。そして実際口が効果を奏するもんだからまたそっちをやるんでしょうね。その反対に話の下手な人は行動や効果で見せようとするんでしょう。

 虚勢を張るのはいけませんね。人間はアク抜けしなけりゃいけませんよ。「味噌の味噌臭きは上味噌にあらず」って言われる通りです。

 自己を卑下するのはいいですね、「下座の行」って言ってね。ある程度下座の行をするのはいいもんですよ。いばってるのはかえって醜いもんです。卑下しすぎるのも変だが、まあそれはあんまりないですね。私でも先方が下手に出るといい感じがしますからね。

「『御光話録』十二号、岡田茂吉全集講話篇第二巻p3~3」 昭和24年06月13日