昭和二十四年三月   直心会報03 「無碍光」(8)

〔 質問者 〕人の死んだ場合、剃刀などの刃物類を白紙に包んで枕元に置き、着物を左前に着せ、一膳飯に一本箸を立て、あるいは枕団子を供える風習がありますが、これらを霊的に見ていかなるわけがあるのでございましょう。

 刃物類を置くのは昔から魔除けとされており、動物霊が憑依するのを防ぐためであるが、むしろそれよりも生きている人間のほうの気休めが多いでしょう。着物を左前に着せるのは霊界と現界は逆であるからです。一膳飯に一本箸を立てるのは死人は「体」がないから一本箸で結構、生きているときは霊、体と二本になる。一膳飯の理由は、霊は一日三粒で足りるから一膳飯を供えればたいへん供養になる。枕団子はいかなる貧者といえども供養ができるからお供えをして霊を慰める。

「直心分会『会報』三月号、岡田茂吉全集講話篇第三巻p」 昭和24年03月30日