昭和二十四年三月八日 御講話(1) 光録05

〔 質問者 〕民族の平均年齢について、

  日本人 三五歳、米国人 五〇歳、未開人 二〇歳、
 
 と発表されておりますが、文化民族のほうが高齢なのはなぜでしょうか。

 これは昔の統計だな。いまは日本人は四七歳、米国では六〇歳くらいでしょう。これはね、頭を使うからです。頭を使わないと早死にする。だから頭を使ったほうがいいですよ。
 

〔 質問者 〕いろいろ苦労して頭を使うのはいかがでしょうか。

 それは別で、要するに頭を使えばよい。私は頭を使うのがおもしろくてしかたがないんです。だからいろんな原稿を書くんです。これはふつう考えられているのと反対です。というのはね、神が人間に与えた機能というものは使うほどよくなるんです。だから頭だって使うほどよくなるんですよ。しかし心配は別です。野蛮人だって心配するんだから、むしろ野蛮人のほうが文化民族より心配が多いでしょう。

 それから、心配するというのはたいてい自分が間違ったことをしているから心配するんです。もし間違ったことをしていなければ心配する必要はないはずです。私もいろんな情報が入ってきても、別に悪いことをしてないから心配なんかしないのです。だから肝腎なことは人間嘘をつかないことですね。嘘をつくとバレやしないかと思って心配する。(笑声)だからね私は嘘つきの心配はたいへんだろうと思うんですよ。(笑声)私も嘘はできるだけ言わないようにしてるんです。言わなければならないときはしかたがないが (笑声)……だから、大先生が嘘なんか言われるはずがないと言われてかえって困ることもあるんです。日本人は一般に嘘が常習になっています。以前使っていた人に一人よく嘘をつくのがいたんですが、嘘つきを少し治してやろうと思ってあるときその人がいろいろ話をしたとき、「あんたのいまの話の中でこれとこれが嘘だ」と言ったら、目をキョロキョロさせていましたが、それから少しよくなったようでした。そういう人のは計画的ではないからつい不用意に出てしまうのです。まあ、慢性の嘘つきですね。(爆笑)

「『御光話録』五号、岡田茂吉全集講話篇第二巻p74」 昭和24年03月08日