〔 質問者 〕インフレ解決の時期。
【 明主様 】これはもう長くはない。あらゆるものは陰陽が交わる代わる転換するようになっており、陰の極は陽に転じ、陽の極は陰に転ずるのである。インフレとてもそうであって上がったものは下がるに決まっている。ただ問題は峠すなわち天井と底を知ることである。しかるに現在はインフレの峠になっているか、下り坂になっているか、あるいは中途であるかであるが、インフレというものはどんなに続いても一〇年以上は続かない。
インフレの一番の原因は主食を統制したことにあるので米の値段がすべての物価を支配することはだれも知っている。ところがいまは主食は輸入と相まって間に合ってきつつある。また物が下がり始めると思惑で買い控えることとなるから下げに拍車をかけることになる。そして近ごろ食料品以外の物も生産が増してきた。そのうえ日本は軍備がなくなったから、いままでそれに消費した国力を平和産業に振り向けることとなるからいずれは物が非常に殖えて使いきれぬくらいになる。現在物価は最も上がらぬものでも一〇〇倍くらいになっており、物によっては一〇〇〇倍あるいは三〇〇〇倍くらいになっている。故にいまはむしろ下がるときの準備をしたほうがよいと思う。またなにごとでもそうであるが、上げるときには時期がかかり、下げるときは早いものである。「山高ければ谷深し」という諺があるから注意すべきである。とは言うものの万一米ソ戦争が始まるとすれば考え方はまた異ってくる。また平価切り下げも考慮に入れておく必要があろう。
「『地上天国2号』, 岡田茂吉全集講話篇第三巻p9~p10」 昭和24年03月01 日