昭和二十四年二月八日 御講話(5) 光録04

〔 質問者 〕日常生活におきまして道に外れた行為をするときはやはり霊体の曇りを増すことと存じますが、その場合の曇りは物質化して毒素となるものでしょうか。またもし毒素になるものでしたら肉体のどこに集まるのでしょうか。

 これはね無論曇りになります。例えば手で悪いことをすれば手に集まり、人の目をごまかせば目に、二枚舌を使えば舌癌や喉頭結核になります。以前私の所で使っていた女中に片目の潰れたのがいましたが、なぜ潰れたのかと訊ねたら、子供の空気銃で撃たれたからだというのです。そのころは私も信仰したてのときでしたが、さらにその女中に実家の商売を訊ねたらその父が珊瑚の偽珠を作りそれを田舎へ持って行ってそうとう儲けたことがあるそうで、こうして人の目をごまかしたために娘の目が潰れてしまったのです。また私が子供のころ、私の父親の商売仲間でやはり浅草になんとか亀次郎という古道具屋がありました。よく人は花亀と呼んでましたがこの人はそうとうな財産を作ったのですが、後に盲になりまたその財産も伜が道楽をしてすっかり蕩尽してしまいました。それはあるとき静岡の寺の住職が東京の寺の御開帳にやって来たがちょっと金に困り、本尊を抵当にその花亀から金を借りた。で、しばらく経って住職はその金をこしらえて本尊をもらいにまたやって来た。ところが当時は外人が仏像を、非常に高価に買い集めていたころだったので、花亀もその本尊をある外人によい値で売ってしまったあとだった。そこへ住職がやってきたので花亀はそんなものを預かった覚えはないと言ってはねつけた。で、その坊さんもいまさらおめおめ帰れないので店先で首を縊って死んでしまったのですが、それの祟りで花亀は盲になったのです。花亀の死ぬときは実に悲惨でした。またやはり子供のころ、近くに経銀という立派な経師屋があったがこの人も盲になった。この人は一日に一時間くらい仕事をしてあとは遊んでいたんですが、というのは新しく描いた画を古く見せかけて高く売りつけることがうまかった。ある画家が古い有名な人の絵を模写しそれを経銀が人に見られぬように一部屋に入り、線香を使って虫食いなどを作りわざと古くさくして高く売りつけていた。それで目が潰れたのです。結局これらはみんな人の目をごまかしたためなんです。

「『御光話録』四号、岡田茂吉全集講話篇第二巻p~」 昭和24年02月08日