昭和二十四年一月三十一日 高天会報創 「大先生御教え」 (1)

〔 質問者 〕宗教と科学の関係、および両者とも必要でしょうか、どちらか不要になる時が来るでしょうか、御教えを賜りとうございます。

 これはどちらも不要なものでなく、どこまでも進歩発達すべきものである。少なくとも宗教がなかったら人類の罪穢は溜まるのみで、それによって生ずる毒素の堆積は人類を破滅することになる。それは浄化のため大天災が続くからで、また科学がなかったら人類文化は進歩しない。

 宗教と科学は同じものであることはすでに『信仰雑話』で説いた。従って科学で説明のできない宗教は本当のものではなく、同時に宗教で説明できない科学も本当のものではない。

 宗教を度外視した科学の発明は恐ろしいことはいうまでもない。科学の進歩が人類の幸福と伴わないのはそのためである。いままでは宗教を閑却しむしろ否定したが、科学の進歩に宗教も伴い一緒に発達して行かなくてはならぬ。

「高天分会『会報』創刊号、岡田茂吉全集講話篇第三巻p279」 昭和24年01月31日