昭和二十三年十二月十八日 御講話(16) 光録(補)

〔 質問者 〕『聖書』に、イエスが一片のパンをもって何千人に食わせたとありますが、これはいかがでしょうか。

 これは嘘です、拵え事です。水を葡萄酒にしたなんてことも嘘です。こういうことは開祖をよくするために後世つけ加えたことです。……キリストは偉い人には違いないが、力がなかった。彼の力は私の力の何分の一、何十分の一です。「ハリツケ」になることも判らなかった。もし事前に判れば逃げたでしょうから。しかしキリストの教えと予言はたいしたものです。もしキリストが出なかったら、西洋はいまよりずっと野蛮国だったでしょう。キリスト教が西洋文化の発展に寄与した力はたいしたものです。釈迦も往来で倒れ非常に苦しみをしたが、その教えである仏教により、東洋人がいかに大きな恩恵をうけたかは判らない。諦めにより気持ちを安らかにし得たことはたいへんなものです。

「『御光話録』(補)(年代不詳1951頃)、岡田茂吉全集講話篇第一巻p」 昭和23年12月18日