〔 質問者 〕神の愛についてお伺い申し上げます。
神の愛は絶対愛です。人間の愛は小さいが神の愛は大きい。……人間の愛の中で自分だけよければよいというのは利己愛であり一番小さなものです。それから少し大きくなって夫婦、子供など家族愛になり、もう少し大きくなると一族一党に対する愛になるが、ふつういいと言われるのはこの程度で、さらにもう少し広くなると他人のためを考え、その次は自分の階級を考える。共産主義者が下層階級だけよくしようとして中・上層階級を攻撃するのはこれであり、やはり限定された愛です。次は一国に対する愛で戦争犯罪者はそれです。彼らは日本だけよくなれば支那人、朝鮮人はどうなってもいいと考えるもので、戦時中に言われた「忠君」も同様であり、これもまた限定された愛です。これに対して神の愛は人類全部……人類だけでなく、獣や虫けらまでよくしてやろうとするのです。神様にもいろいろ階級があるから国家だけの小さい神はやはり限られた愛になるのです。従って私のは人類愛だから無限に大きい。だから目安をそこへおいてみれば、あとのことは小さくなってしまうのです。それにはまず利己愛を次にすることが大切です。自分が天国に救われたいというようなことは後まわしにすることです。他の人を救わんとすればかえって自分が救われるのです。そこが難しいところで、ふつうは「自分は大きな愛だ」と思っている間に小さくなってしまっているのです。
「『御光話録』二号、岡田茂吉全集講話篇第一巻」 昭和24年01月08日