昭和二十三年十一月十八日 御講話(5) 光録(補)

 〔 質問者 〕人と対談する場合、目の位置はどこにおくべきでしょうか。

 これはどこでもいいですね。場合によっても違いますしね。美人と対談するときはあまりよそは見ないでしょうし、変な顔つきの人と話をするときは、そうその人の顔ばかり見てもいられません。……要するにこれは自然がいいのです。気持ちよくして上げるようにすることです。それから社交的には三、四人の人と話をする場合、その中の一人だけと話をしてはいけない。みんなが気持ち悪くしないように話をもって行くことです。……話をしてるのに目をあまりそらすのも失礼ですが、かといって円太郎馬車の馬みたいになってもどうも……なにごとも程度ですよ。お辞儀をするのもあまりていねいでも、またあまりぞんざいでも困る。相手と場合により異なるべきです。だから交際の上手なのもその人の信仰が向上した証拠です、物事を程よくやることですから。……また話をしていてもこっちの顔を見ない人がありますが、そんなとき私はこの人はなにか心にあるな……と見てます。それは顔を見ないのではなく見られないのです。

 〔 質問者 〕よく睨むような目の人もありますが……

 それは目つきが悪いんでしょう。本当に悪いことをする人は目つきが柔らかいですよ。平沢なんかそうです。これは御婦人にだが、いい男でやさしいのは気をつけることですね。またしゃべることがうまい人も気をつけたほうがいい。話のうまい人はつい人を騙すことが多い。話が下手なのは言葉でゆかず実行に表わすからたしかです。

「『御光話録』(補)(年代不詳1951頃)、岡田茂吉全集講話篇第一巻p」 昭和23年11月18日