昭和二十三年十一月十八日 御講話(4) 光録(補)

〔 質問者 〕病人に栄養食を与えることはいかがでしょうか。

 まず栄養食とはどういうものかということですね。医学では完成した食物という意味ですね。ところが人間の肉体は完成品が入っては働かないのです。未完成品を完成品にするのが臓器の働きです。だから栄養食を食えば弱ります。

 〔 質問者 〕衰弱してる人に牛乳や卵なんかは……

 それは栄養食ではないですね。衰えると完成品にする働きが鈍りますから、ある程度完成したものがいいですね。
一番いいのは病人の欲しがるものを与えることです。リンゴなんかをおろしてやるのもいいですが、果物はリンゴより汁の多いほうがいい。医学は外国人を基にしているから、日本在来のもの、例えばアンコのようなものは病人に与えることを禁じますが、アンコなんかは材料は小豆で砂糖も入っており非常に栄養はいいのですがね。これは西洋にはアンコなんかないからで、医者の本にも書いてないから禁じるのですね。栄養とは私は食物殊に野菜の中の霊気の強いものをいうのです。野菜でも西洋のは霊気が薄い。日本の土地のほうが霊気が強いから作物も強くなるのです。馬鈴薯なんか私はあまり食べません。松茸なんか非常に強いのです。だから香りも強いのです。香りの強いものは霊気が強いと思ってよい。果物は香りがあり汁気の多いものが霊気が強い。柑橘類はいいですよ。胃潰瘍なんかの場合は「おかゆ」がいいです、胃壁がただれているのだから。出血するなら流動食、出血が止んだらおかゆ、それで調子がよかったらごはんにしたらよろしい。チフスなんかも同じで、腸出血のために死ぬことがあります。私は下痢のとき、水のように下るときはおもゆの薄いのを食べ、便が固まるにつれて食物も固いのを食べるようにしています。

「『御光話録』(補)(年代不詳1951頃)、岡田茂吉全集講話篇第一巻p」 昭和23年11月18日