昭和二十三年十一月十八日(1) 御講話 光録01 

〔 質問者 〕政治家の資金獲得のための不正が次々暴露されておりますが、現段階においてはそれほど責むべきことではないと存じますがいかがでございましょうか?

【 明主様 】それはね、今日二合五勺の配給だが、どうしても五勺は足りない。足りない分はどうしてもヤミで買わねばならない。だからヤミの売り手もなければならないんです。もし配給通りに守ってては腹が減って仕事はできませんよ。これがいまの政治の実際です。これと同じに代議士になるのだって一〇万や二〇万の金では駄目で、どうしても一〇〇万、二〇〇万なければ当選できない。当選できなければ自己の信ずる経綸を行うわけには行かない。ところがそんな大金を持っている人はたんとない。金持ちから出してもらうとしても、このせちがらい世の中にただで金をくれる人なんかありはしない。そこで必ずなんらかの権利が伴うのです。権利が伴えば検察庁に上げられるというわけです。故にいいとか悪いとかは言えませんね。

 〔 質問者 〕大乗、小乗の立場から見たらいかがでございましょうか?

【 明主様 】当てはまりませんね。ふつうの大小乗ではなく別のほうですね。だから神様に許されるもなにもない、法律が許しませんよ。いまは間違いが間違いを生む世の中です。だから神様が正しい世にすべくお仕事を始められているのです。……いいか悪いかと聞かれても、私としては自己を偽わらなければいい悪いは言えません。……以前軍隊では、兵隊がいくら空腹で卒倒しそうでも命令がなければ、たとえ食糧を持っていても食べられなかった。これは変な話で腹がすいたら食べたらいいのですよ。……ヤミはいかんという規則を出している人もヤミの物を食っている世の中だからどういうふうに批評していいか判りませんね。それが現実なんだから、そういうふうになっているんだから、……今度出す本にも書くのですが、代議士の選挙資金は一万円もあればたくさんです。選挙も中選挙区にすればよいがそうすればポスターも演説会もいらない。ただ政見を印刷すればよい。ふつうの新聞紙なら一面一七段として六八名分の政見がのせられる。それを有権者に配り、有権者はその中の気に入ったのに投票すればよい。アメリカは比例代表制だがそのほうが本当ですね。第一そのほうが金がかからない……

「『御光話録』一号、岡田茂吉全集講話篇第一巻p309~310 」 昭和23年12月08日