〔 質問者 〕御讃歌中に「凡人の眼には善しとし映る事も神の御旨に適はぬ事あり」と拝見いたしますが、お道の者としてどんな点に注意すべきでしょうか。
人間の眼では異なる。共産主義だって人間には正しいと思われても神様はそうは思われない。……ところが神様にもいろいろあり第一等の神だと共産主義も要るし、第二等の神だと共産主義はいかんということになる。ふつうのことでも人間が見て善いと思われることでも神様から見ていけないことがたくさんある。いま戦犯として裁かれている人々も戦争中はみんな「自分はいいことをしているのだ」と思っていた。だからいつだか罪の有無に対してみんな・って「無罪」を主張していたのです。「自分は罪を犯したのだ」とは考えない。……神と人との分かれ目は大乗と小乗です。例えば日本だけよくなって、他の国々はどうなってもよいとの考え方は小乗であり悪です。人類全体が幸せになることでなければ悪です。私は戦争中「忠君愛国」なんか一度も言ったことはない。なぜなら日本人が「忠君愛国」でその相手の朝鮮人、支那人も「忠君愛国」だったらたいへんなことになる、幸い彼らがそれほど忠君愛国ではなかったからまだよかったのです。……勿論、時と場合により大乗より小乗のほうが必要な時もある。が、そういうときでも大乗を本として小乗を考えたらいいのであり、常識を基準にして判断したらいいのです。ここに大乗と小乗の融合ができるのです。小乗は縦であり大乗は横ですから、縦横合一ができあがるのです。先日ミズーリ艦上調印記念日のマッカーサー元帥の書簡の中に「東西文化の融合する所が日本である」とあったがその通りです。みんながつけているバッジの真ん中の赤は日本を表わし、そこで縦と横が合一している形を表わしているのです。……箱根という所は東西の分かれ目であり箱根の中心は神山です。だからこの早雲寮も神山の上に建てるべきであるが、そうも行かないからここへ建てたのです。でこれにも縦横合一の意味があるのです。また以前の玉川上野毛も東京(縦)と横浜(横に開ける)の中央だった。……今度は熱海に家を作り次に小田原に作るがその次は別府に作ろうと思ってます。あれから先は外国になりますから。また、今度東山荘の中に洋館を建てそこで私は洋風の生活をしようと思ってます。