昭和二十三年六月十八日 御講話(3) 光録(補)

〔 質問者 〕日蓮や親鸞が地獄に堕ちておるやに聞きおよんでおりますが、この真相はいかがでしょう。

【 明主様 】私の弟子で日蓮信者があり、身延へ行って日蓮が住まっていた建物で拝んでいたら日蓮が淋しい青い顔で現われたと言ってました。これより前から私には判ってましたが……彼の肝腎な点は法華経を弘通した点ですが、法華経とは法の華です。日蓮以前は南無阿弥陀仏でありこれは月の教え、陰なのです。川なぞへ飛び込んで自殺するときは「ナムアミダブツ」と言うように、これは陰気なものです。それに対して日蓮は法華経こそ本当の教えであり、釈迦七十二歳にして見真実となり説いたものだということを発見したのです。法華経とは仏教の華を咲かせることであり、その中の普門品二十五は実の髄なのです。また華は咲いてすぐ枯れるから昔から一代法華と言って一代限りがよいとされてるのです。日蓮は仏教の陰を陽に変えたのです。だから日蓮宗は威勢がいいのです。それから四ケ格言と言って念仏無間、禅天魔、真言亡国、律国賊として他宗をみな排斥したが、あの排他性はいけない。あの態度はおもしろくない。法の華が散りその実が育って実相真如になると言われている。しかしこれは逆で真如実相が本当です。真如とは月のことで、釈迦は仏法を一言で言えば真如だと言ったが、これは夜の世界のことで、昼の世界は実相世界です。またすべては空に帰すとか仮の物だとか言ったのも夜の世界のことです。実の髄の仕事を私がするわけです。だから私が実相世界を作るわけです。親鸞が地獄だとは私の師匠の出口王仁三郎先生から聞いたのです。あの人はそうとう霊覚のある人だったが、あるとき親鸞が乞食坊主の姿をして現われたそうです。弘法大師や法然上人は極楽に住しているそうです。釈迦は勿論さらに一段高い所にいてとてもふつうは行けぬそうです。

 〔 質問者 〕日蓮はあの排他性がいけないのでしょうか。

【 明主様 】ええそうですね。

 〔 質問者 〕自分が上行菩薩であると言ったことは……

【 明主様 】それは死ぬ前に誤りだと悟り、あと六百五十年して本当に上行菩薩が世に出ると言ったのです。日蓮のいい点はたいへん自信のあったことと、仏教の陰気になり隠遁的になったのを救ったことですね。

 〔 質問者 〕親鸞の罪はなんでございましょうか。

【 明主様 】親鸞のはあの時代の一種の共産的思想のためです。師匠も弟子もなく、だれでもみな「御同行」と言ったのですがこれは間違いです。よく言えば民主的だったんですが……
 日本の民主主義と米国のとは違うはずなんです。それは日本の霊界は縦で西洋は横ですから。いままでの日本は縦が強すぎたのです。これは隣人愛がないことです。もし隣人愛があれば支那へ遠征なんかしないはずです。日本は神国であり他国なんかどうなってもいいという考えが悪くてついに逆の結果になったわけです。

「『御光話録』(補)(年代不詳1951頃)、岡田茂吉全集講話篇第一巻p」 昭和23年06月18日