〔 質問者 〕現在会員の会費の一部をもって積立金として積立て、将来会員のための福祉、例えば旅館のごとき宿泊設備、教会、農場、学校、治療所等々の建設を考えておりますが、大きな分会にはいろいろ福祉がありますが、私どもの分会はまだ小さく、従ってまだ見るべきものなく、会員に淋しい暗い気持ちを抱かせております。この点につきまして大先生のお導きをお願いいたしとう存じます。
【 明主様 】そういう問題は管長がやるべきです。渋井さんと相談してみなさい。経営はすべて本部管長がやることになっている。分会長もいるんだからみんなで相談してやったらよい。
〔 質問者 〕先日も管長に会ってお話ししたところ、管長とは名ばかりで実際は五六七会の会長であるからそのほうのことをしていると言われてました。
【 明主様 】いままでは私がやってきた、で、その習慣が残っている。宗教の形を整えたうえは管長が全部やるべきです。が、そこまでまだ行ってないのです。もうしばらく自然の動きに任せておけば定まることは定まる。神様がやってられるんだから。私はこうすればよいと自分で考えても神様のお考えと違うことは始終ある。この家は狭いので去年広い家を買うことになったが、どうもその後うまく行かない。こいつはおかしいと思ったのでよく調べたら、箱根のほうを先にやらねばならないんです。それは箱根は五で熱海が六で小田原が七ですから、箱根の寮ができあがり使ってからでなくては駄目です。こういうふうに人間の計画と神様の御計画とはちょいちょい違うんです。神にお任せして時を待つんですね。 この間も中島の所へ二〇〇万円の税金を納めろと言ってきた。 中島はびっくりして「そんな金はない」と言うと「この家はだれのだ」「自分のだ」「ではこの家を売って納めろ。君の所はたいへんな収入がある駅を降りて人々がみんな来るではないか」と言われ、中島は青くなってボーとしていた。で、私は「いったいあんたはなにを信仰してるのか、なにも信仰してやしないじゃないか。くよくよ心配するのは神を信じてないからだ。人間のほうでそんな態度をとれば神様としてもおもしろくないですよ。そんなに気をもむのは」そう言ったんで中島も判り、いままでのは形だけの信仰だということを悟ったんです。ところが税金のほうもちゃんとうまく行って運動してくれる人が出て一〇分の一くらいですんでしまった。私も思うように行かんなと思うときは神様にお任せする。始終ありますよ。私の所の税も五〇〇万円だったが運動してくれる人が出て何分の一ですむことになってます。霊的に言うと心配したりくよくよしたりすると霊が地獄へ落ちる。始終自分の霊は天国にいなければ駄目だ。どんなことがあっても気をもんだりしないならば霊は天国に行き、そこで神様はうまくやってくださる。分会も文部省の命令で八つにした。物を分ければ最初はうまく行かぬに決まっている。滑《なめ》らかに行かぬだろうとは思っていた。しかし神様がやっておられるんだから日時が経てば円満になって行く。ですからゆっくりと時を待つことです。私は以前、治療士三訓を作り治療所へ貼らせた。「いばるな、怒るな、早まるな」です。三つのうちいずれか一つにでも該当したら治療士の資格がない。結局こういうことにより自分が磨かれるんです。神様の修行の中で一番大切なのはこっちを怒らせることです。昔は私も神様からよく言われました。以前は私も神様のことはよく判らず、はらわたが煮えくり返るように思ったこともあり、あまり癪に触って頭がボーとしてきたこともある。私は二〇年間借金で苦しみ、差し押さえも七、八回、破産したこともあります。差し押さえられると箪笥の引き出しに封印しますが、その紙をそっとはいで引き出しを開けたこともあります。あいつをはがすと刑事問題になるんですから怖いですよ。上野毛の家には木札にこの家は仮処分の家だと書いてある。あまり人目につかぬ所に立ててますが、実際借金には苦しみました。また五島慶太もひどいことをしました。離れを作ろうとして土台を作りすっかり準備したら建築停止をくわせた。そのときも腹が立ちました。ところがおもしろいのはね、箱根の観山亭を作るとき、その離れの材料をそっくりそのまま持って来たんで、観山亭はできたんです。いまから考えればむしろお礼を言っていいくらいです。計画を立ててやろうとしてもうまくできないときは、神様になにか思し召しがあるんだと考えることです。熱海の家のことではいま両方とも困っている。売ったほうでも困っている。税務署は時価で評価するから二〇〇〇万くらいになる。それから税一六〇万円を引くと一八四〇万円、それを双方で負担すると、先方は家を売ったうえに九二〇万円納めねばならない。私のほうは法律的にはできるんですが、しかし人情としてそんなことはとてもできない。それでいまはそのままにほおっているんです。そこで私はこれはきっと神様がなにか御計画になっておられるなと考えている。ある時期にはっきり判ってきます。ついそこの畑地もやっぱり山下が持っているんですが、先だって「買わないか」と言ってきた。私は「いらない」と言うと家内が「あすこに変なものでも建てると困るから買ってしまったら……」と言うので買うことにしたらもう売れてしまった。私の所へ来たときは三〇万円ほどだったが、後で聞いたら競り売りでだいぶ高くなったそうです。ところがその買い手の人は熱海の請負師で渋井が仕事をさせてる人で「大先生が御入用ならいつでもお使いください」というわけです。やっぱり必要なんですね。必要なものはとんでもない所から入ってきますよ。宗教になることだって私がしようと考えてしたんではない。進駐軍の中佐の牧師がある程度この道を了解して、これが将来発展すると必ず医者と衝突して禁止される、それには宗教になってなければ……というわけで宗教になったんです。まったくなってよかったんです。これで全国の医師会との間に起っていたいろいろな問題もなくなってしまったんです。