昭和二十三年五月十八日 御講話(1) 光録(補)

 〔 質問者 〕三毒、五濁とはどんな意味でございましょうか。

【 明主様 】仏教にある言葉です。三毒は貪<とん>、瞋<じん>、痴<ち>、これは字の通りです。五濁のほうはまあいろいろな罪穢れです。たいした意味はありません。私は必要のないことは忘れてしまっています。あまりよく記憶しているのも骨が折れますよ。記憶のよかったのは大隈重信で、物忘れする人は羨ましいと言ってます。むしろ忘れてしまいたいようなことまでも憶えている。例えば庭で働く植木屋の賃金、いまはいくらいくらで何年前はいくらいくらだったとか、こういう木はこういうふうに植えるといいとかいったことまで憶えていた人です。英国の元首相のバルフォアは数字がどうしても憶えられず、議会の演説で数字を読む場合には秘書が代わってやった。自民党の吉田さんも頭が悪いですね、演説なんか聞いても下手です。馬鹿とか利口とか言うことと記憶とはまったく関係ないとは言えなくても、そうたいして関係ない。学校なんかも記憶のよい者が成績がよい。だからそれが偉くなるとは限らない。アインシュタインも学生のころ頭が悪くて落第したそうですね。落第したってそう悲観する必要はありませんよ。

「『御光話録』(補)(年代不詳1951頃)、岡田茂吉全集講話篇第一巻p403~p404」 昭和23年05月18日