日本観音教団発会式 祝辞

 日本観音教団発会に当たって一言申し述べます。顧みれば昭和九年一〇月私は大日本観音会なる名称のもとに、観音運動を始め、その目的は病貧争絶無の世界をつくるというにある。しかるにそのころの当局の方針としては、類似宗教を無差別的に弾圧の方針であったから、当大日本観音会もそれに漏れず、徹底的の弾圧をされたのである。従って、爾来ぜんぜん宗教から離れ、治療専門によって発展しつつ今日に至ったことは、諸君の知る通りである。これもみな応身弥勒である観音の働きによることであって、そこに妙味津々たるものがある。ここに天運循環観音の力徳を発揮し、妙智を揮う天の時が来たので、実に観音妙智力である。

 これについて藤君なる実に適正なる人が表われたるも、まったく観音の経綸によることと思う。しかしながら、だんだん事業発展とともに、おもしろくもなるかわりに責任も重くなるから、できるだけ自重謹慎し、世界人類救済のためいっそうの精進努力をされんことを念願するしだいである。

「岡田茂吉全集講話篇第一巻p279」