頭痛には、全体的頭痛と偏頭痛と、前頭部頭痛と後頭部頭痛とがあります。
原因は、毒血に因る場合と脳貧血に因る場合と二通りありますから、毒血の方から先にお話致します。
この症状は、世間非常に多いもので、時々痛む人と慢性的に休みなく痛む人とあります。
原因としては、毒血が上昇して前額部から前頭部両顳・等に滞溜し、それの浄化作用が痛みとなるのであります。
まず患者の前述の部へ掌を当宛ててみれば必ず熱く感ずる。それは毒血のある証拠であります。それが治療によって冷くなるので、冷くなった丈は痛みが除れたのであります。
次に、脳貧血に因る頭痛は右とは反対であって、頭脳に血液が欠乏して痛むのであります。
これは頚腺付近に水膿溜結し、頭脳への血液送流を妨げられるからであります。
後頭頭痛も、毒血又は貧血孰れかが原因でありますが、それは触査すればよく判るのであります。
本療法に依れば、軽症で二三回、重症で二三週間で全治するのであります。
「『岡田先生療病術講義録 上巻(五)』,岡田茂吉全集著述篇第二巻p228」