吃音は--
「生来の吃」と「中風その他の為に呂律の廻らない」のとありますが--いずれも舌の運転が意志通りにならぬものであります。
後天的の方は--顎の下の所を見ると、図の如く塊があります。それを圧すと痛い。これが原因でありますから、それを溶かすと治るのであります。
先天性吃の人は「後頭部」によく固結があります。この原因が多いのであります この図の如き位置に、普通一個あるものであります。これを治療して溶せばいいのでありますが、病が治っても、習慣がありますので、全治するまでには相当時日を要するのであります。バセドー氏病の為、喉の方へ膿が移行して舌の廻らなくなる事がありますが、同じ事であります。
これは最初、顎下腺に水膿が溜結して段々に深部へ移行し、終に舌根を犯すのであります。
この病気は、舌を動かせば痛み、物を食べると滲みる。なか・・苦痛であります。
この病気の手術の結果は、面白くないようであります。手術をすれば、縫う為に舌はとても吊るのであります。
又、ラジュウム療法をよく行いますが、これは--固めるから癌は縮小しますが、舌はよけいに吊るようであります。
本療法によれば、手術を受けない患者なら必ず治癒するのであります。
「『岡田先生療病術講義録 下巻(二)』,岡田茂吉全集著述篇第二巻p262」