岡田先生療術下(二) 【上体の下部 面疔】

 顔面の一部に腫物が出来るんですが、よく『顔の経の中心』に出来るのが質が悪いとしてあります。

 又、口の無いのも悪いといいますが、これはそうではない。

 最初は口の無いのが普通で、腫れ切ってから口が出来るんであります。

 面疔(めんちょう)は必ず治るもので--よく面疔で死にますが、これは不思議と思うのであります。

 まず、顔の一部に面疔が出来ると--

 自然療法ですと、段々腫れて、口が出来て膿が排泄されて治るんであります。

 ところが、近来それを冷すので、その為に浄化作用が停止されて固まってしまう。それ故、膿が他の方面に集溜する。その集溜個所によって『危険性』となるのです。

 又もう一つは、早期に切開するのが、結果がわるいようであります。

 熟練な医者は熟するのを待って切開しますが、これは非常に結果がよいのであります。

 本療法によれば、一回乃至三回位で完全に治ります。生命に係わるような事は絶対ないのであります。

「『岡田先生療病術講義録 下巻(二)』,岡田茂吉全集著述篇第二巻p269」