岡田先生療術下(五) 【脚気】

 この病気は、軽症に於ては膝から下、所謂、脛の辺りの麻痺でありますが、重症となるに従って掌、特に拇指近き部分及び脣等にまで及ぶのであります。但し、婦人にある産後の脚気は右とは異って脚部全体から腹部及び乳の辺りまで麻痺するのであります。

 原因は医学で唱える如く、前者にあっては白米中毒であり、後者にあっては、出産に由る残存悪露が浄化作用によって皮膚面へ滲出するのであります。

 本療法によれば、一週間乃至二週間位で全治するのであります。

 前者の脚気に対しては、普通の米糠を煎って食事の度毎匙一杯宛飲めば「有効」であります。

 次に、腎臓の尿毒に因る、擬似脚気ともいうべき症状があります。これは寧ろ真の脚気よりも多い位で、吾々の所へ脚気と言って来る患者が、実は脚気ではなくこれが多いのであります。

 この症状は殆んど麻痺はなく、脚部全体が重くて、歩行は稍々困難で、多少の痛み又は浮腫があるのであります。

 稀には軽症の腹膜炎が原因である事もあります。

 本療法によれば一、二週間で全治しますが、治療の場合腎臓部及び腹部を充分施術しなくてはなりません。

「『岡田先生療病術講義録 下巻(五)』,岡田茂吉全集著述篇第二巻p321」