次に、毒血と膿でありますが、これは陰陽の如きものであります。しかし、毒血は膿になるが、膿は毒血にはならない。ですから、毒血の浄化されたものが膿で、それは断えずどこかへ溜るので、婦人などは腹部へ溜りやすく、それが自然浄化によって溶解され、白帯下となって出るのであります。
ところが、白帯下が出ると、子宮が悪い、内膜が悪いんだと心配しますが、実は白帯下の出る程、結構なのであります。
白帯下になって出ない人は、腹膜炎を起したり、足が重くなったり、利かなくなったりするのであります。
次に、よく喀血や痔で出血する事がありますが、これは決して浄血ではないので、毒血であります。浄血は、病気では排除されないものであります。
そのことを知らない為に、喀血でもすると非常に吃驚するが、これは大変結構な事なのです。ですから喀血する肺病は、十人が十人治ります。
又、喀血性は殆んど発熱がない。稀には微熱のあるものもあるが、滅多にないのであります。
この症は、膿結がないから、発熱の必要がないのであります。
医学の方でも喀血をする肺患は、質が良いというのは、そういう訳であります。
喀血性肺病は、普通業務に従事しつゝ自然に任しておっても治るのでありますから、少しの心配も要らないのであります。
「『岡田先生療病術講義録 上巻(二)』,岡田茂吉全集著述篇第二巻p191」