岡田先生療術上(一) 【(四)神性と獣性】

 元来、人間なるものは「神性と獣性」両方面を具備しているもので、向上すれば「神」となり、堕落すれば「獣」となるのであります。

 そして、神に祀られる人は、行正しく生ながら神性になった人であります。

 例えば、人間の善悪の行為であります。酒を飲みたいとか、女を買いたいとか、金を儲けたいというものは皆「獣性の表れ」であります。

 之は、常にいう処の狐狸、蛇、天狗、鳥類等の動物霊で--之が、精霊内にあって、人間の心を専有しようとしているのであります。

 然るに「神から与えられた良心」即ち「魂」の方は、それと反対で「心を良性に導こう」と、絶えず働きかけているのであります。

 それが、本治療を受けるとすると--酒が嫌いになり、争などは嫌になるんであります。何となれば--

 霊光によって、邪霊は畏縮するからであります。それが為、魂--即ち「良心の力」が増して「邪霊」即ち「獣性」を抑制える事が出来るようになりますから、立派な人間になるのであります。

 然し、獣性と雖も、人間生活に於て必要があるから、神から与えられているのであります。唯如何なる場合と雖も獣性より神性の方が勝てばいいのであります。

「『岡田先生療病術講義録 上巻(一)』,岡田茂吉全集著述篇第二巻p168」