岡田教祖に最初会ったのは、強羅ホテルで開かれた箱根美術館の開館祝賀会の時で、教祖は美術館をつくったいきさつを話され、その中で、『……救貧事業をやらねばならないが、この美術館をつくったことは救富事業になってしまった……』というような挨拶がありましたが、私はその時、「いま教祖から“救富事業になった”という話を聞いたが、これは立派な救貧事業だ。われわれのように貧しい者に、高価なものを安い料金で見せてくれるのだから、これほど立派な救貧事業はない」と言って挨拶しましたが、みな拍手しました。
最初箱根へ行った時、教祖は庭などを自身で造っていました。美術館をつくり、陳列も自分で指揮し、そしてあの祝賀会の日、『きょうは私が自分で説明します』と言ったのは、大変おもしろかったと思います。