明主様はよくお身廻りのものを整理されながら、『私は物の区分けや始末がうまいから、道具屋なんかやればいいな』とご冗談をおっしゃいましたが、場所と物に応じ、整然と処理されるその周到さ、それは全くひとつの芸術でもあったと思います。そして、『どの戸棚の何番目の物を持って来い』とお命じになられても、決して間違いはなく、実に驚くべき正確さでありました。
かつて明主様は、『人は平素から自分の持物は、いつでもまに合うよう始末しておく心がけが必要である。暗がりの中でも、入用なものを自由に取出せるくらいでなくてはいけない。放任乱雑にすると、それだけ頭の働きを鈍くするものである』と、静かに御教え下さいました。