落語“釜ドロ”に涙をためてお笑い

 あるとき、私は、非常におもしろい落語を咲見町で聞いていたので、それがバカにおもしろかったものですから、お退屈しのぎにと思いまして、「明主様、落語をひとつ申し上げましょうか。もうお聞きになっていらっしゃるようでしたら、ひかえさせていただきますが」と申し上げ、「釜ドロ」という題を申し上げましたところ、『まだ聞いていない』とおっしゃられたので、お話いたしますと、もう涙をいっぱいお溜めになってお笑い下さったものです。