明主様はほんとうにおやさしい方でした。
たとえば、おばさまは年をとっておられるので、何か思い違いをなさることがあるのです。もっとも明主様の方だって勘違いなさることがあるのですからお互いさまですが――。
すると明主様は、おばさまをお叱りになるらしいのです。『おばさん。あっちへ行ってて下さい』って。おばさまはしようがありませんから「ハイハイ」って出ていらっしゃる。
しばらくると、『おばさん呼んで来い』なんておっしゃって、おばさまが、「なんですか」と明主様のお部屋へ行きますと、『おばさん、さっきのはね。おばさんがきらいであっちへ行けって言ったんじゃないんですよ。おばさんはとってもいい人だから、そばにいてほしいんですよ。ただどうもおばさんは私の言うことを早合点したり、先廻りしたりするから困るんで、ほんとうはおばさんは好きなんですよ』って慰められるのだそうです。それをよくおばさまはおっしゃっておられました。「明主様のそういうところは、とってもおやさしかった……」と。