明主様は、年をおとりになってもなかなかのおしゃれでした。
私は、昭和二十六年に日比谷公会堂で、宗教講演をなさった時の明主様のことを思い出すのですが、その日明主様は、紺のダブルの洋服を召され、赤っぽいネクタイを締めてお出かけになりました。
どうしてそれをおぼえているかといいますと、いまも申しましたように、明主様はおしゃれなお方で、人の意見で洋服を着るなんてことは、あまりなかったのです。その時は、私どもがヤンヤイ申しましたその意見に従って下さって、紺のダブルに赤ネクタイをつけてお出かけになったのでした。
それが、あの白いおつむと、ピンク色の顔色にとってもよくマッチして、明主様もすっかり若返った様子に大変ご満足で、意気揚々と碧雲荘をお出になられ、私どもは大変嬉しかったので、おぼえているのでございます。