昭和二十八、九年ごろの映画のとき、明主様は碧雲荘から咲見町へ、夜の七時にお出ましになるのですが、あるとき、会食でおそくなり、ウガイをなさらないでお出かけになったことがありました
『咲見町でウガイをするから、用意しておくよう』との連絡があったので、私はお居間のテーブルの上に、コップ、ブラシなどを用意しました。
ところが、明主様は、咲見町へおいでになるとすぐ、お手洗へ行かれ、そのお手洗で『ウガイ!』というご命令なのです。
私は、まさかお手洗の中でウガイはなさらないだろうと思って、コップ、ブラシの類を持って行きませんでした。すると、『どうしたんだ、なぜ、もって来ないのか』と叱られました。
そして、『人を待たしてはいけないから、ここでウガイをするんだ。みんな待っているじゃないか』と、きつくさとされました。
時間には非常にきびしかった明主様は、人にだけでなく、ご自分にもきびしく時間を守られた方です。