起きたらまっさきに私に挨拶を

 昭和二十五年ごろ、私はまだ「おひかり」をいただいておらず、ある会社に通っていましたが、土曜日から箱根へ行って、明主様の所へ一晩泊めていただくことがよくありました。

 そして翌日、つい寝坊をしてしまい、洗顔もそこそこに出て行きますと、明主様はもう日光殿のご講話を終わられ、ブラブラと帰って行かれるところだったということが、何度もありました。

 そういうとき、明主様は、『ねぼけまなこでもいい。起きたらまっさきに私に挨拶すればいい』とおっしゃいました。

 いまとなっては全く恥ずかしい思い出ですが、明主様は一度もいやな顔をされませんでした。

 あるとき、「若いのに寝坊して申しわけありません」とお詫びしましたら、明主様は、『なにを言ってるんだ。きみより私の方が若いよ。私の方が若いから早く起きるんだ。きみは年をとっているから寝坊するんだ』と笑って言われたことがありました。