お光の籠った杖

 昭和十一、二年ごろ、明主様は、お弟子たち数人が経営の任に当たっていた、岐阜県下呂町の鉱山へおいでになったことがあります。明主様は、麓の鉱山事務所に予め用意してあった杖をついて登山されましたが、その杖はご下山の後、事務所におかれたまま、ご帰京になりました。

 ところが、その事務所には、長いあいだリュウマチで歩行が思うように出来ない老人が住んでいましたが、かれは土間に立てかけてあったその杖がちょうど格好だったので、明主様ご使用のものと知ってか知らでか、その杖に縋って歩いていました。気がついてみると、いつもと違って非常に軽く歩けるんです。不思議に思いながら、その後も歩行のたびにその杖を使っていたところ、長年苦しんだリュウマチもいつのまにか治ってしまったので、思いもかけないお蔭に驚喜したとのことです。

 二、三時間お手をお触れになったものでも、これほどの大きい恵みを与えられるものですが、これはもちろん、ご霊気が杖に満たされたためでしょう。

 また、それより数年前、ある人が、火鉢の縁に手を触れられたままのお姿を撮影したところ、お掌が火鉢を透過して写ったことがあり、お手からはたえず強いお光が放射されていることを知ったこともありました。