世間一般の人は、“明主様は、さぞいいお召物ばかり着ていらしただろう”と思っているかもしれませんが、(私は明主様のお召物の御用をしていました)なるほど生地はいいものばかりお選びになりましたが、それをすり切れるまで着て、さらに何度も継いだりカケハギしてお召しになるのです。
男物の袖口など、すっかりすり切れていますので、私は、もうこのつぎはダメだと思いながら繕いました。すると、また、すり切れる。それを洗い張りして繕うという具合で、仕上げると、継いだのも判らなくなりますが、物を粗末になさらず、ほんとうに質素な明主様でした。