昭和二十年八月十五日、終戦の日、私は箱根の御面会で、五十人ほどの人と一緒にお伺いしていました。
重大放送があるというので、『みんな聞くように』との明主様のお言葉もあって、正午、全員がラジオの前にすわりました。
明主様も、スピーカーから流れてくる玉音放送に耳を傾けておられました。
ああ、ポツダム宣言受諾、無条件降伏──私は明主様がどういうことをおっしゃるだろうかと、明主様の方を見つめていました。
明主様は、静かにみんなをごらんになり、『これから日本はよくなる。これでいいのだ』と、それだけをおっしゃって、すっとお立ちになりました。
この一瞬というべき厳粛な場面は、いまも私の脳裏に強く焼きついて離れません。