昭和十七年ごろのことです。
私の知人のご主人が戦死されたので、ご霊前へのお花をもって伺う途中のことです。
私の乗っていた電車が池の上駅附近で脱線したので、私は他の乗客とともに、つぎの下北沢駅まで線路の上を歩いて行くことになりました。
そしてハイヒールでよちよちと、高いガードの上の線路を歩いていた時、脱線した電車が復旧して後ろからやって来るのに気がつきました。
私はハッとして、一秒でも早くそのガードを渡り切らなければならないと思った時です。足を踏みはずして、ガードの下へ落ちてしまったのです。
それっきり何も覚えていません。気がついてみると、私は病院のベッドに寝かされていました。そして、頭と顔のあたりをひどく打っているらしいのですが、ベッドのそばには、子供たちが心配そうにしているではありませんか。
病院の人にたずねると、私は失神していながら、自分の住所や名前や職業まで言ったというのです。
私はさっそく次男に言いつけて、明主様のもとへお詫びに行かせました。
明主様は、『ああ、それは内出血しているのだ。だれか浄霊にやろう』とおっしゃって下さったそうで、まもなく教師の方が浄霊に来て下さいましたが、なんと洗面器に二杯もの血を私は吐きました。
あとで、明主様は、『外科医は傷の手当ばかりして、そういう時の内出血を見逃がすから、それでみんなやられて(死亡のこと)しまうのだ』とおっしゃいました。
外科の医者にも判らなかった私の内出血を、ごらんになりもしないで、どうして明主様は、それがおわかりになるのでしょうか。
その後回復して、明主様のところへお礼に伺ったら、明主様は、『怪我をしたのも、あんたの宿命だよ。前から霊界のことは、ちゃんときまっているんだよ』 とおっしゃいました。