誠ある人には幸福がある

 昭和二十二、三年、東山荘へ御面会に伺った時のことです。お部屋の棚の上に人形が置いてありました。

 明主様は、その人形をごらんになりながら、こう言われました。『あの人形だが、だれが作ったか知らないが、ある人が心をこめて作ったことだけは確かだ。あの足袋の作り方ひとつを見ても、隅から隅まで、実にまごころがしみ渡っている。これを作った人形師は、きっと幸せになっているよ』

 私は、この時、常に人の幸せを願っておられます、明主様のお心の一端にふれさせていただいた感じがいたしました。