お話相手ということでも、二代様は明主様のよきハーフでいらしたと存じます。
二代様はとてもご記憶がよく、また勘が鋭く、その上、アイデアと申しますか、思いつきというのが一種独特のおもしろさがございまして、美術のことにいたしましても、造営、設計などのことにいたしましても、ずいぶん明主様とお話がお合いになったようでございます。
ですから、二代様がちょっと東京などにいらしてお留守にされますと、大変寂しそうにしておられました。ちょっと予定の時間より遅れますと、『まだか、まだか――事故があったんじゃないか』と、玄関の方までのぞきにいらしたり、ひとりで心配しておられました。
明主様のご生前中は、ご承知のように信者さん以外にも、いろいろの方が訪ねてみえられましたが、その時にもほとんどご一緒にお出になっておられました。
明主様は、決して取りつき難いお方ではございませんでしたが、なんと申しましても、教祖様ということで、どうしても相手の方も畏まって、座が堅くなりがちでございます。
そんな時、二代様があの気さくな明るさで、相槌を打たれたり、時々お茶目な冗談を言われましたりして、大いにサービスに努め、その場をほぐされますので、その意味では、ずいぶん内助の功をなすっていらしたのではないかと存じます。
しかし、ここでひとつ困りますことは、二代様がそのように、お客さまの方にばかりサービスいたしますと、お客さまの方も、二代様の方に話を集中してしまわれるのでございます。すると明主様は、大変ご機嫌が悪くなってまいります。そうして、『あの人には、今度はもう会わない』などとおっしゃいますので、これには二代様も、ちょっとお困りになっておられたようでございます。