幸福への道標

 信仰は地上ばかりでなく、永世<えいせい>の栄えのために日々を無駄<むだ>なく精進<しょうじん>する道であり、自分が幸福になることは、他人を幸福にすることであるとの真理を、具現していく道であります。他のためにつくしたときほど愉快<ゆかい>を感じることはありません。このよろこびこそ法悦<ほうえつ>であり、幸福の源泉<げんせん>です。輝かしい成功の暁<あかつき>ばかりを夢見て、苦しい克己<こっき>の日々を送るのではまだほんとうではなく、それでは働くことそれ自体<じたい>に意義があることを覚らないからです。労働は神聖<しんせい>なりということを知らないで、ただ成功を憧<あこが>れるのでは、万々一成功<まんまんいちせいこう>しなかった場合、その悲歎<ひたん>はどんなでしょうか。そういう生き方はまちがっています。日日一歩一歩の前進、瞬間々々の働きが天職使命<てんしょくしめい>の遂行<すいこう>で、日々に意義があり、日々が好日<こうじつ>で、その積み重ねが成功をもたらすものでなければ、刹那<せつな>のわれに生きることにはなりません。

「栄光  四五四号」