『巾着切はもう大丈夫』

 ある日、お風呂におはいりになられますとき、脱衣場で「時計をおはずしいたします」と申し上げて、私は明主様の腕時計をおはずしいたしました。

 さて、いよいよお湯殿へはいられるとき、時計がないのに気づかれた明主様は、『おまえぐらい手が早ければ、巾着切はもう大丈夫だ』と、笑っておっしゃいました。

 私の申したことがお耳にはいられなかったのかもしれませんが、こういう冗談をよくおっしゃいました。