刑事も感心した房内生活

 二十五年の事件の時のことでした。私が拘留中、明主様が留置所におはいりになったのを知って、極度に喪心し、せめてご安否だけでも知りたく思って、K刑事にたずねてみました。するとかれは、「何しろたいしたお元気で、おはいりになる早々、『事を明らかにして、一日も早く部下を出してやりたいから、夜明かしでもいいから調べてくれ』と言われ、係員もまごついているくらいだよ。とにかく特別にお計らいしているから心配するな」というのです。

 そして、最後に、「それに、あれほどたいしたご身分の方なのに、朝はキチンと規定時間前に起き、必ず房内の掃除をなさるのは意外だった。実に立派なことだと思う。さすがは一宗の教祖だな」とさしもの刑事君も深い感銘を受けているようでした。私はこれを聞いて、ひとり感涙に咽んで声も出ませんでした。