ある日、借家のことについて、つぎのような御教えをいただいたことがあります。
『このごろは、何事にも感謝の気持ちが欠けていていけない。家などを借りて、住まわしてもらっている場合でも、お蔭で雨風しのげているのに、家主に対する感謝などはさらになく、家賃を幾月も払わないで溜めていて、たまたま催促されれば、どっちが家主かわからないような返事だとは、あきれたものである。ほんとうから言えば、その月の家賃は、前月の末日までに持って行って払うのがあたりまえで、その月の終わりに払うようではだめである。なぜなら、それはやっぱり借りていたということであって、“借り”は“仮(かり)”であって、ほんとうではないということだ。また、借りは借金であり、罪でもある。しかし、前月末日までに払っておけば借りではないわけだ。神様は払うべきものを払ってさえ行けば、またお恵み下さるものである』