昭和二十九年ごろのことですが、側近で奉仕している女の人に対して、明主様は、『あなた方にはずいぶん世話になったから』とおっしゃって、洋服を作って下さったことがあります。そして、わざわざお店から取寄せられて、『あなたにはこれが似合う。あの人にはこれがいい』といちいちご指示になられました。私にも、『あんたはグリーンが似合う』と言われて、渋味のかかったグリーンの洋服を作っていただき、いまも大事にしております。
洋服のことを言えば、いつか正装して、咲見町へご参拝に行かせていただこうと、ご挨拶にうかがいますと、着ている洋服をごらんになられて、『いやあ、きょうはそれを着て行くのか。バスガイドみたいだね』とお声をかけられたことがあります。ちょっとデザインが固かったせいでしょうが、私どもの着ているものにも非常に関心を持って下さいました。