ある日明主様は、『人間はしゃれっ気がなかったらおしまいだ。みな大いにしゃれるべし……私は、おしゃれだよ』とおっしゃられて、ふだん鏡をごらんになられることはありませんのに、鏡の前で、いつまでもネクタイをお直しになっておられる時がありました。
また『自分をきれいにするということは、人の目を楽しませる──自分のためだけでなく、人のためだ』とおっしゃったこともあります。それでお召物も、その場その場に合わせておられたらしく、よくお召替えになっておられました。やはり調和の大切さをお教えいただいておりますが、つまり美ということにも、たえず重きをおいておられたご様子でした。