自分の仕事に誇りと誠を

 明主様が玉川にお住まいのころ、私は、主にお勝手の御用をさせていただいておりました。料理は全くの素人でしたが、明主様はこちらが真心をこめて作ったものは、いつも『おいしい、おいしい』とおっしゃって、なんでも召上がって下さいました。

 ところが、いつか浄化して舌の感覚がわからなくなって、つい投げやりになり、他の人に頼んだのです。すると明主様はお呼びになって、『きょうの味はだめだ。毎日作っていて判らないのか。おまえは、私の料理を作るくらいのことは、大したことに思ってないだろうが、大事なんだよ。おまえたちの仕事は、舟にたとえれば、舟底の仕事なんだ。私の大きな仕事も、そういう小さい仕事が十分出来ていて、はじめて出来るんだ。もっと自分の仕事に誇りと誠をもってやってくれ』とご注意いただきました。それからは、どんなにつらくても、よくお念じして、自分で味加減をつけるようにしました。