昭和二十五年九月、私は富山へ布教に行っていて、脳溢血で倒れ、明主様に御守護の電報をうたせていただいたことがあります。
さて、全快してから、御守護のお礼言上のため、熱海で明主様にお目通り願ったのですが、そのとき明主様は、『神様に一度命を肋けていただくと、三十年の寿命がいただける』とおっしゃいました。
その時私は、一度で三十年の寿命がいただけるなら、二度で六十年の勘定になる。自分はいま三十五才だから、今度はもう一回お救いいただいたら九十五までは大丈夫だな……などと、心の中で思っていました。
すると、その私のうわついた心を見通されたように、明主様は、『しかし、いただいた命は、神様の御用に使うべきだ。私用に使ってはいけないのだ』とキッパリとおっしゃいました。