清水町の仮本部は二十三年にお求めになったものですが、以前は小倉石油の社長さんの別荘でした。その小倉別荘の留守番に小林さんという老夫婦がおりましたが、身寄りのない気の毒な境遇の方でした。そして教団で屋敷を買ってしまいましたから、行き場がなくて、途方にくれていたわけなんです。それをどなたが申し上げたのか、明主様のお耳に達したのです。
すると明主様は、『何も信者じゃないからといって追い出す必要はない。本人の異存がないのなら、いままで通り留守番してもらったら、屋敷の様子も判っていて重宝だ。ひとりぐらいの食い扶持はたいしたことがないのだから』とおっしゃって、それからずっと面倒を見られました。