明主様のお召物の仕立には、私はずいぶん気をつけました。たとえば、衿巾がちょっとでも狭いとすぐお気づきになられて、縫い直しを命じられますし、丈などちょっと違っても、ほんとうに二、三ミリぐらいのちがいでも、すぐ気がつかれて、『今度のは、ちょっと短かったな』と二代様におっしゃるのだそうです。
また、丹前の綿の分量も、厚いのと薄いのと両方あって、その分量がちがうと、『もっと厚く』『もっと薄く』とおっしゃるのです。ホンのちょっとのことでも、敏感にお感じになるのです。
ある時、丹前を作ってお届けしたら、『綿が薄い』と言われます。いそいで綿を買って来て、翌朝お届けしてホッとしたこともありました。