人には好感を与えるよう

 箱根美術館に、特別のお客さんがあります場合など、そういう方々を、おもてなしすることに対して、明主様は、ほんとうに細かいお心遣いをなさっていらっしゃるのを、しばしば拝見させていただいたのですが、たとえば、あらかじめ陳列の品々はもとより、説明カードの記事やその位置、さらにケースの中の汚れにいたるまで必ずお調べになり、また、三階の床の間の掛軸や置物、花瓶、犀風など最もふさわしいものをお選びになった上、さらにお花も自ら新しくおいけになるのでした。また時には、お急ぎになる場合など、ご自分で箒をおとりになって掃除されることもありました。ある日のこと、箱根美術館の三階にお座ぶとんを用意いたしましたところ、それが二種類でしたので『いい座ぶとんへすわる人はいいけど、悪い方へすわる人は気持が悪いじゃないか』との注意をいただき、早速一種類に改めさせていただいたこともありました。『人に好感を与えるように努めよ』との御教えは常々いただいておりますが、明主様ご自身、このようにご実行になっていらっしゃるのです。