ご神徳のいただける信仰体制

 信仰未熟<みじゅく>な初期は、神さまも赤児<あかご>として取扱われ、欲<ほっ>するまま、甘えるままにご神徳を授けてくださいます。それは未熟なるがゆえの特別の待遇<たいぐう>なのであります。ちょうど幼児が母親に抱きかかえられ、おむつのお世話になるようなものであります。やがて成長して物事の分別<ふんべつ>がつくようになれば、養育<よういく>のご恩に感謝し、よき人間となって、親に安心させるのが人としての道であると同様に、信仰もまた、神さまのご摂理<せつり>とご恩寵<おんちょう>がわかればわかるほど、神意<しんい>に添い奉<たてまつ>って、人間としての本分をつくし、神の理想世界たる地上天国を造りあげようと努力するのが、神から生まれた神の子人間の自然の義務であろうと思います。その自覚のできるまで、早く信仰を高めてほしいものです。要するに、神を信ずる度合<どあい>と、奉仕の度合いかんによって、神徳は自然に加減<かげん>されるのでありますから、神徳がいただきたければいただけるような、信仰体制をみずから作っていくことが大切と思うのであります。

「地上天国 一四六号」