明主様は、寸秒の時間も大切になさいましたが、いつか夜分お蔭話をお読み申し上げておりますとき、
「おひかり」に御霊をお人れになりながら、聞いておいでになったことがありました。
私は大きなテーブルを中心に、明主様と向かい合って、お読みしていたのですが、私のすぐ後ろ手に違棚があり、その上に「おひかり」がお置きしてあるのです。
明主様は、御入霊の終わった「おひかり」を、一々大きなテーブルを廻って、御自らお納めになられましたが、私のすぐ後ろにお納めするのですから、お手伝いいたそうとしますと、『どうして手を出す。おまえはお蔭話を読んでいるのだから、続けていればいいのだ。私は耳で聞くのだから身体はあいているのだ。おまえが手伝ったら、それだけ読むのが遅れるじゃないか』と言われまして、決して私たちにおさせになりませんでした。